マイ・インターン

今さらですが、ロバート・デ・ニーロとアン・ハサウェイ主演映画
『マイ・インターン』をネットで観ました。
ずっと前に2人の
インタビュービデオ
を観て

感銘を受けていたのですが、映画は見逃していました。
ロバート・デ・ニーロ扮する70歳のシニアインターン、ベンが、
アン・ハサウェイ演じる若手社長ジュールズのアシスタントとなって、
公私ともに難題を抱える彼女に適切なアドバイスを与え、
やがて信頼関係を築いていく、というストーリーです。
予想通りの展開であるにもかかわらず、ハートフルで楽しめた作品でした。
俳優陣の好演は言うまでもないですが、脚本も良く、ベンにジュールズが
「どうしていつも、そんなにいい言葉が出てくるの?」と言うセリフには、
思わず、うんうん、とうなずきたくなってしまいました。
ベンの言葉も行動も、特別なものではありません。
ただ、ごくふつうに、人として、あたり前の努力を重ねて、誠実に生きてきたからこそ、
配慮ある適切な言動が自然に表せるようになった、という描かれ方です。
若い頃には、人に気のきいたことが言えず、もじもじ、もそもそ、後からもんもん…
ということは誰にでもありますよね。
「何と言ってあげたら良いんだろう。」「もっと何か言えたはずなのに。」と
自分を情けなく感じたり…。
まぁ、若くなくても、きっと一生そんな思いは多少ついてまわるのでしょう。
言葉が言葉としてある限りは。

でもじつのところ、人間って、そういう淡い切なさが、心を育てるんじゃないでしょうか。
たとえば、上手く言えなかったけど、でも、あの人元気になるといいな、とか、
うまくいくといいな、とか。
結局言葉にできなかったとしても、その人のためをそっと思う、というのは、
人間のすごく魅力的なところだと思います。
心のヒダはたぶん、ちゃんと増えているはずです。
(そして、エネルギーレベルでは、すべて伝わっているわけです。)

言葉の壁の前でもがく毎日なようでいて、でもいつの日か、さり気なく
人の心を暖かくする言葉を口にできるようになっているかもしれません。
その時すでに、ヨーダのように年老いていたとしても良いではないですか。
それはそれで、とても豊かな、成功した人生といえないでしょうか。