旅立った友のこと

2年前の夏、大切な友人を天国に見送りました。
彼女と一緒に、初めておそるおそる瞑想会というものをのぞいたり、
神社めぐりをしたり、本を読んで不思議な世界について語りあったりしました。
友がいたから心強く、この世界に足を踏み入れることができたのです。

私自身は、ある意味、特殊な宇宙観を持っていますので、
死をネガティブなものとは考えていません。
今でも彼女の存在を感じますし、夢で会うこともあります。
それでも時々、さびしくなります。
ただ一緒にお茶を飲んだり、冗談を言って笑いあったりしたいだけなのです。

彼女を見送ってから、この後の人生は好きなように生きよう、と決心しました。
それから、ちょっぴり、人に優しくなったように思います。
少なくとも、人との出会いを貴重なことだと感じるようになりました。
出会うだけでも意味があるのに、心許し合える友達になれるなんて、
素晴らしいギフトのようなものです。
でも、どのみちいつかは誰しも別れ、この人生劇場を退場するわけです。
いつまでも友と肩を並べて歩けるわけではありません。
そのことを忘れないでいよう、と思うようになりました。

人は永遠の幸せに憧れるものかもしれませんが、
永遠の幸せから見たら、人が泣いたり笑ったりして魂を成長させる姿が
うらやましいかもしれません。
人と経験を共有すること、1つのものごとを別々の角度から見合うこと、
そのようにして私達は共に生きているのだと実感することは、
大切なことだと思います。

“スタンド・バイ・ミー”という歌がありますが、恋愛に限らず、
普遍的な人の思いがシンプルに歌われていて、とても好きな歌詞です。

If the sky that we look upon
たとえばもし、見上げる空が
Should tumble and fall
ある日突然、崩れ落ちてきても
And the mountains should crumble to the sea
山々が崩れて海の底に消えてしまっても
I won’t cry, I won’t cry, no I won’t shed a tear
僕は泣かないよ 涙なんか流さない
Just as long as you stand, stand by me
きみがそばにいてくれるなら

And darlin’, darlin’, stand by me, oh stand by me
Stand by me, stand by me, stand by me
だから、ダーリン そばにいておくれ

Whenever you’re in trouble won’t you stand by me, oh now now stand by me
困ったことがあったら、いつでも僕のそばにくればいい
Oh stand by me, stand by me, stand by me
ねえ、そばにいようよ そばにいておくれ

Ben E. King – Stand By Me

ひとりでは生きられない、とよく言いますが、
ひとりではないから生きられる、のですよね。
友人は旅立ってしまいましたが、
彼女が残してくれたさまざまな思い出は、
今もそばにあって、私をあたたかく支えてくれています。