三峯神社 興雲閣

三峯神社のご神域内にある、興雲閣に宿泊してきました。
お寺の宿坊でなく、神社の中に泊まれるというのは、
珍しいのではないかと思います。

三峯神社に一歩入ると、私はいつも濃密な霊気と共に、
虚空からじっと下界を見おろしている、
巨大でシャープな「一対の眼」を感じます。

御眷属は狼とされ、大口真神として篤い信仰を集めていますが、
古代の人々はこの大きな眼を感じて、山の神をイメージし、
大神=オオカミ としたのでしょうか。
あるいは大口、というからには、「口」を感じた人がいたのかも…
と想像すると、ちょっとゾクゾクします。

いずれにせよ今では、そのしもべ達が、人々の信仰にしたがって、
狼の似姿を借りて、私たちのもとに降りてこられているようです。
山と里を往来する、数えきれないほどたくさんの
御眷属の存在を感じました。

借りる、といえば、三峯神社には「御眷属拝借」といって、
一年間、御眷属をお借りすることができる、
特別なご神札があります。
一年以内に、必ずお返ししなくてはなりません。
私は考えた末に昨年お借りしていました。
今年は夕方到着して、翌朝のご祈祷申込みの際に
感謝をこめてお返ししたのですが、夜にはすでに、
新しい存在が、ピタリとついてくださっているのを感じました。

興雲閣は新しくはありませんが、清潔で居心地が良いです。
そして温泉もあります。
優しいお湯ですが、とても浄化力が強いと思いました。
(日帰り入浴もできます。)

強烈なご神気の中で夜を過ごすわけですから、
言葉にあらわしようのない、神秘的な体験もありました。
関東随一のパワースポットともいわれるだけに、
やはりここは異界との境なのか…と、
その深淵を垣間見るような思いでした。

でもそれは本当はただ、
もともと自分の内側にあった世界が開かれた、
ということなのだろうと思います。

荘厳で、格式高い神社であるにもかかわらず、
このお守りの、ゆるカワなムードにいつもキュンときて、
ついお土産用に大人買いをしてしまいます。

きっと1つ1つ、屈強なボディガードとして、
持ち主を守ってくださるに違いありません。